教師かぜ

 田野さんに愚痴を聞いていただく。「教師風」(教師気質)を吹かす輩が今もいるのかとお互いの経験を基に盛り上がった。「教師風」の命名者は田野さんである。そのアイデアを膨らましたのがヒガチャンだ。

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f:id:higachanntan:20250219133312j:image大阪市役所(大阪市の教育現場では「淀屋橋」と通称で呼んでいた)

  2月19日の昼過ぎ、大阪市役所の市民相談室で起きた暴言が突然響いた。ヒガチャンは、筒井康隆と中大江小学校で同級だった元校長K先生の「人事記録カード」の情報開示を求めに来たのだ。書類を書いていると、突然、大きな声が部屋中に響いた。驚くほど大きな声。室内の職員も顔を上げただろう。その男性はものを机に強く置いたので、鋭い音が響き渡った。振り向くと、コートとマフラーの上に帽子が置いてあった。応対の職員に詰問する声。喚き散らしている。「教師」をしていたらしい。もと同業者か。胃の中から苦汁が込み上げてきた。生徒を叱りつけるように、応対の職員を怒っている。叱るのではない。暴言。屁理屈を捏ねている。退職しても「教師かぜ」を吹かす習慣から抜け出られない輩がいる。ヒガチャンも妻から「教師かぜ」を吹かしてはあかんよと言われる。

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f:id:higachanntan:20250219192719j:image大阪市役所

f:id:higachanntan:20250220093431j:image↑旧大阪市役所の模型(大阪市公文書館にて撮影)
f:id:higachanntan:20250220093435j:image↑同上の説明

 その高齢男性は爆発後、静かになった。それまで「静かにしないと警察を呼びます」と言う職員に、「呼ぶなら呼べや」と言い返していた。「①大声を出さない。②暴言や暴力をしない」のがルールと確認し合っていた。

 元教師のヒガチャンは聞いていて、ため息が出た。大阪市教育委員会に情報開示(アカハラ)を求めに来たのだろう。でも、狭い室内で暴言と脅迫と取られかねない行為は慎むべきだ。職員に謝罪を求めてもいた。謝罪するわけがない。行政が謝罪するのは特別だ。簡単に謝罪をしない。

 無理難題で業務を混乱させる行為は厳しく慎むべきだ。私もハラハラドキドキした。数々の修羅場を経験したヒガチャンから見ると、阿呆ちゃんやなあと見える。阿呆陀羅経を唱えたくなる。

 かつてヤンチャな女子生徒を職員室に連れてきて、女生徒の顔をどついた同僚がいた。職員室で女生徒を

殴ると、止めなかった教師も反発の対象になる。生徒から信頼をなくす。「外でやれや」と注意した。

 

 上から目線で職員に対するのはやめよう。同じ労働者ではないか。接する時のエチケットを助言しよう。言葉は丁寧に。穏やかな口調で話す。内容は厳しく痛いところを突く。手の内を明らかにすると、これから攻めにくくなるなあ。

 「教師かぜ」を吹かす輩は、今の教育界にはいないだろうか。