中野区の天神湯

 東京都中野区天神町(現:中野区中野5-1)は、懐かしき第二の故郷(ふるさと)である。母方の祖母が住んでいた。小さな地面に木造の家が建っていた。夫婦と九人の子どもが住んでいた。貧乏人の子だくさんだ。祖父は戦後亡くなり、私の記憶にはない。写真でしか知らない。

 夏休みが来ると、国鉄に勤める叔父が大阪まで私を迎えに来る。叔父は中野保線区に働いていた。保線区の売店に買い物に連れていってもらったりした。叔父は事故の責任を上司がなすりつけたと愚痴っていた。 

 私の家は乾物・塩干を商っていた。スーパーマーケットが進出する前は商売が忙しく、夏休みになると東京へ連れていかれた。なぜ僕だけがと拗ねたりした。1カ月近くも東京にいると、東京弁の子どもが一丁上がりになる。二学期が始まる。級友と話しても、変な眼で見られる。アクセントが違うので、大阪のぼんぼんに戻るのに時間がかかった。

 天神町の家の跡は比較的見つけるのが容易かった。

f:id:higachanntan:20230831084951j:image↑中野区役所
f:id:higachanntan:20230831085014j:image徳川綱吉の犬屋敷跡

f:id:higachanntan:20230901022922j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831085017j:image氷川神社の祭礼
f:id:higachanntan:20230831084948j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831085001j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831084955j:image↑天神さま
f:id:higachanntan:20230831084945j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831084926j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831084939j:image↑天神商店街
f:id:higachanntan:20230831084942j:image↑天神
f:id:higachanntan:20230831085007j:image↑小川を埋め立ててできた道
f:id:higachanntan:20230831084919j:image↑かつてここに祖母の家があった
f:id:higachanntan:20230831085010j:image↑天神商店街
f:id:higachanntan:20230831084958j:image↑天神湯(11月まで休業)
f:id:higachanntan:20230831084923j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831084932j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831084913j:image↑同上
f:id:higachanntan:20230831084935j:image↑天神商店街のマップ

 天神湯は中野区の銭湯でも有名であった。しかし、営業はしていなかった。11月まで休業だった。壁の絵は残して、浴槽は全面改装である。女風呂も同様である。

 中野区の区報誌「なかの」は今年の二月号で中野区の銭湯を特集していた。天神湯は玄関が唐破風になっている。堂々たる銭湯なのだ。