Y氏と「幸海実験室」に初めて参加した。秘密結社かなと思いつつ、結婚式場の二階会場に入る。
京山幸太と旭堂一海のご両人が二席づつ披露した。新ネタと古典だ。曲師は一風亭初月さん。京太と一海が浪曲と講談の道具(テーブル掛け、張り扇、扇子、釈台)について解説する。釈台の作り手が技術継承ができていないのを初めて知る。携帯用釈台を使う時もある。作り手が少ないのが講談界にも影響があるのだ。張り扇を手作りする。
浪曲のテーブル掛けは当日、1点セットだった。舞台のセンターだけであった。大劇場では5点セット、3点セットもあるのだ。①センターテーブル掛け、②湯呑み掛け、③椅子掛け(家紋)、④左袖、⑤右袖が五点セットだ。国立文楽劇場の舞台では五点セットが見られる。
↑1点セットの舞台
まずは京山幸太の「超新作浪曲」で、幸太のダンスが二度も見られるぶっ飛んだ立体浪曲。『平成のギャルサークル』は、リトルプリンスとCO2の格闘を描く。P1(パラパラ)グランプリを目指す、二つのサークルの試練を描く新作。観客との文化的落差を乗り越えようとする実験はさて成功したか。
↑京山幸太(右)と旭堂一海(左)
旭堂一海は鳥取市の出身。大阪の大学を中退して、旭堂南海師の門をたたいた。講談師になって5年が経つ。『難波戦記』から「三方ヶ原の合戦」、『太閤記』から「小牧長久手の合戦」の池田輝政の件を語った。
中入り後、旭堂一海の「喝(かつ)えさん」が面白い。鳥取市のゆるキャラ「かつ江さん」を扱ったもの。1581年の羽柴秀吉軍の兵糧攻め「喝え(かつえ)殺し」をテーマにゆるキャラが考案された。しかし、「かつ江さん」は2014年に公開中止された。(『地域ブランドNEWS』2014年7月9日)
鳥取市といえば、「トリピー」が有名だ。その「トリピー」に「かつ江さん」が愚痴るところから始まる。
↑鳥取市のゆるキャラ「かつ江さん」、手にはカエルを持つ
トリが幸太の古典もの。『鬼若三次』(任侠もの)で、声もよく出ていて、こなれていた印象を受けた。
↑幸海実験室のチラシ