中央区の『広報ちゅうおう』9月号12頁に「船場・ミナミと水辺を体験するまちあるき&クルーズ」が載っている。
第一部で船場まちあるきで老舗店を訪ねて船場と商いの話を聞くことになっている。神宗代表取締役社長が食体験・トークの講師だ。
↑『広報ちゅうおう』令和5年9月号
「老舗」の意味を電子手帳『デジタル大辞泉』(小学館)から引いてみた。「代々続いて同じ商売をしている格式・信用のある店」をいう。
『大辞林 第四版』(三省堂)で老舗の意味を見てみた。「①代々同じ商売を続けている店。由緒正しい古い店。②長年商売をして得た店の信用。」とある。
神宗は昨年(2022.9.7〜9.8)、毎日新聞に食品偽装の記事が載った企業である。食品業界で食品偽装するのは、消費者を裏切る行為でご法度である。
かつて「船場吉兆」が食品偽装で倒産した例がある。船場では商道徳が厳しく、百年企業にはそれだけの見識が伴う。
神宗は天明元(1781)年に創業したと店頭に写真を貼っている。「天明の大飢饉」の時代に創業できるかと疑義を抱く。神宗が代々古文書を保存していて、老舗であると言うならば、その古文書を専門家の眼に晒してほしい。
↑蛸の松
大阪市中央区は、東区と南区が合区してできた「老舗」である。その老舗が「神宗」を老舗店と認めるからには中央区にそれ相当の見識があるのだろう。
【参考文献】
○毎日新聞(2022.09.07)
老舗つくだ煮店「神宗」(大阪市中央区)が、2年前に製造した「塩昆布」と「ちりめん山椒」を新たな原材料と混ぜて調理し、新製品として販売していたことが発覚した。
「お客様を裏切る行為で後悔している」。内部告発した従業員は毎日新聞の取材に、苦しい胸のうちを明かした。古いつくだ煮を新たな原材料と混ぜて再調理することは、社内で「炊き直し」と呼ばれていた。
同社は「品質や安全性に問題はない」と強調するが、200年以上続く老舗の看板を信じて購入する消費者にはどう響くのか。専門家は「問われるのは企業倫理だ」と指摘する。
○毎日新聞(2022.09.08)
創業241年の老舗つくだ煮店「神宗」(大阪市中央区)が、2年前に製造した「塩昆布」と「ちりめん山椒」を新たな原材料と混ぜて調理し直し、販売していたことが判明した。
新型コロナウイルス禍で在庫が増え、同社が定める出荷期限を過ぎたものを再利用していた。
大阪市保健所は8月、「使用期限の科学的・合理的根拠が不十分な製品を原材料の一部として使用した」として行政指導した。