桜宮橋

 今年の桜の通り抜けは終わった。八重桜を楽しむ大阪の名物である。

f:id:higachanntan:20230416030357j:image↑銀橋から天満橋を見る(左に見えるビルは建築中のヒルトンホテル)
f:id:higachanntan:20230416030400j:image造幣局側の階段橋(橋頭堡)

 

  私は記憶している。この階段橋で女性が殺されたことを。らせん階段を上り下りすると幽霊が出るといううわさがあったのを。

 市バスの隣席の女性にこの話をした。その方も覚えていると言われた。私の記憶は間違いではないのが立証されたと安堵している。

 

 新喜多二丁目に住む90歳の古老に尋ねた。事件についてはご存知でなかった。しかし、別の収穫があった。古老の父は大阪砲兵工廠の連絡員を戦中していた。電話線が断線した時に、連絡員が工場間を走って連絡し合うのだ。猛爆撃を受けた砲兵工廠。戦後は仕事がないため、守衛をしていたという。

 造幣局の工員が銅板を盗んで、銀橋の橋頭堡に隠していた。それを見つけた人に工員が大声で「あっちへ行け」と叫んでいたことを教えてくれた。戦後の生活難で誰しも生きることに必死であったのだ。戦争が庶民の思考を変えたのか。

 

 戦後のいつのことかわからない。事件の記憶を元に、図書館で調べている。紙媒体(図書)や新聞のデータベースに当たっている。今のところ成果がない。

 もう「グリコ」である。グリコのマークのように、万歳している。お手上げなのだ。読者諸賢に頼るしかない。読者にすがりたい。