城東区が昨年、80周年式典を挙行した。今年が東成区100周年記念落語会だ。東成区民ホールが会場。10月19日の午後二時開演だが、ヒガチャンは午後一時から並んだ。とてもいい座席であった。
↑東成区100周年記念落語会
↑東成区100周年記念落語会のリーフレット
↑同上
↑同上
まず成瀬國晴さんが東成区と落語について講演。上方落語の四天王と東成区を詳しく話された。神路小学校が母校だそうだ。東成区にゆかりのある方だ。神路小学校、本庄中学校出身。浪速区生まれ。「しんみち大黒ロード」とも言われる新道筋商店街の近くの、真言宗妙法寺には「身代わり大黒天」がある。かつて「今里大黒」と言われた真っ黒の大黒天が安置されていた。それが出開帳で徳島県阿南市の神応寺に鎮座されている。この話は初めて聞いた。
今里で有名なのが「今里焼きそば」だ。新橋通商店街近くに「松月」「ミユキ」が隣り合ってあった。大阪市電今里車庫と新橋通商店街の間に「松月」「ミユキ」が載っている(吉田地図、大阪市精密住宅地図「東成区」1960年度版)。以上が成瀬さんの今里の思い出だ。
触発されて、ヒガチャンが空想する。新橋通商店街は映画館が並ぶ繁華街でもあった。今はないが、アーケードがあった。人通りで混み合った商店街だった。
今里ロータリーから南にたどる。北陸銀行今里支店の南に今里東宝があった。新橋通商店街に入ると、東成東映、今里大映、映画フタバ館、新橋映劇の名が見える。「映画フタバ館」はかつて演劇場で、六代目笑福亭松鶴師が初舞台を踏んだ場所だ。
今里ロータリー周辺には銀行などの金融機関がたくさんあった。東北部に旧三和銀行(現:三菱UFJ銀行)、西北部に北陸銀行今里支店がある。東南部に富士銀行今里支店、協和銀行今里支店、神戸銀行今里支店があった。現在は存在せず。
大阪市電今里車庫(現:東成区民センター)の北側に日本勧業銀行今里支店、明治信用金庫本店があった。今はない。今も営業するのは三井住友銀行今里支店のみである。
トロリーバスが守口車庫と杭全町とを結んでいたことを記憶されるだろうか。車体から伸びたポールから電気を取り入れたバスで、無公害バスだ。神崎橋と守口車庫間を結んでもいた。
↑電柱に「トロバス西」と書いてある
落語が三題。桂小きんの「東の旅」で、小きんは先代の文枝の孫だそうだ。師匠は当代の桂小文枝(桂きん枝)師で、彼は城東区蒲生四丁目出身だ。
桂春之輔は当代の桂春団治の弟子で、中本小学校、本庄中学校に進んだ。コテコテの東成区出身者だ。「ハンカチ」を口演。
大トリは桂米團治。桂米朝の子。先代米團治が創作した「代書」をたっぷり聞かせた。昭和14年に発表した。在日コリアンも出てくるが、米團治師はその後にドイツ人を登場させて、第九を歌わせてさらに笑いをとった。テレビでは15分くらいに短縮する。今回はたっぷり聞かせて、「代書」の面白さや昭和初期の時代様相がわかった。旧東成区は、現在の生野区・東成区・城東区・旭区を含んでいた。東成区役所前の「代書屋」碑を初めて知った方もいるだろう。
↑成瀬國晴個展のチラシ
↑同上
【参考文献】
『東成区の芸能文化ガイドブック』(東成区役所、2008年)
『なにわ難波のかやくめし』(成瀬國晴著、東方出版刊、1998年)