大阪研究の必読書といえば、まず、肥田皓三先生の愛読書であった雑誌『上方』であろう。奥付の上方郷土研究会の住所には関心がなかった。編緝兼発行人である南木芳太郎(1882〜1945)の住所にも。大阪市西成区南吉田町八十八番地とはどこだ。
西成区役所の住居情報担当に聴いた。今の住居表示は、大阪市西成区天下茶屋3丁目25-4。地下鉄堺筋線天下茶屋駅まで行った。リュックに「ゼンリン住宅地図−西成区−」を入れてゴー。途中、西成区役所で「西成観光マップ」をいただく。この地図はおススメ。水も忘れずに。
↑この辺りが旧南木邸跡
2004年の「ゼンリン住宅地図」には長屋がひしめきあっていた。南木姓はなかった。西成図書館が休館であったため、これ以上はわからない。
大阪市史編纂所から『南木芳太郎日記』が出版されているので、参考にされたい。
しかし、思わぬ収穫があるものだ。旧南木邸の向かい(天下茶屋3丁目16-16)に梅谷歯科医院の建物が聳えている。「大正11年頃の建築で、平成11年に国の登録有形文化財に登録された。洋風の意匠を取り入れた大正期建築の好例」と言われる(西成観光マップより引用)。
↑梅谷歯科医院(南木も見ていただろう)
↑同上
↑同上
松虫通まで南下して、阪堺電軌(ちん電)阪堺線聖天坂停留場で路面電車に乗る。聖天坂、北天下茶屋、松田町、今船、今池、新今宮駅前、えびす町と路面電車の旅は続く。
↑松虫通以南の地図
↑聖天坂停留場
↑同上
↑回数券の発売終了のお知らせ
↑聖天坂停留場
↑えびす町に着いたちん電
↑えびす町停留場(終点)
↑停留場は南に移転していた
↑ちん電のダイヤ
ちん電には外国人も乗っていた。欧米系、台湾人、香港人と、大阪にも外国の観光客が増えている。天下茶屋駅は、関空から南海電車で天下茶屋駅まで来た客の乗り換え駅で、賑わっている。
↑阪堺電車のりば
↑えびす町停留場は南に移動している
↑マンション現場に「小西来山十萬堂跡の碑」があった(完成後、現状復帰される予定)
↑懐かしい、安田のピーナッツ
↑通天閣周辺の地図
↑澤野工房の広告
↑新世界市場の澤野工房
↑通天閣(日立のネオンサインは工事中)
↑紙の回数券(差額の30円を払った)
戦前の大阪のことなら、 『郷土研究 上方 復刻版』に当たるようにしている。そして、『大阪春秋』に当たる。『大阪春秋』も廃刊になって久しい。今は過去になり、過去は今に生きてくる。これから大阪人はどう生きていくのだろうか。
【参考文献】
『郷土研究 上方』(新和出版社)
『南木芳太郎日記−大阪郷土研究の先覚者−』(大阪市史編纂所)