(続)おりえさんのお墓

郷土誌『上方』(昭和10年8月1日)「蒲生・野江」に六反池事件を取り上げている。

64頁に「野江の墓」の章を引用する。

 

「野江の刑場址より北一丁にある昭和橋を東へ一丁這入つた旭区野江町一丁目に、人家に狭められた墓地がある、この墓地は野江村所属の墓地であつたので、野江土着の墓碑が多い、此墓地は七墓中に含まれては居ない様ではあるが刑場を去る僅か一丁である」

 

「木全家墓碑中に大正年間の猟奇的な殺人事件の随一とされて居る六反池事件で世の同情を蒐めた、木全リエ女の墓碑は総高さ六尺にも及び立派に営まれて居る、その碑面には

(前面) 釈尼 妙諦墓

       大正九年十一月十七日没

(向つて右側面)         俗名  リエ

       行年三十三歳」

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亡父から聞いていた「六反池」から、私の六反池事件研究は始まった。